れおこがたり 第2回 ~「HALO5:Guardians」 感想~
ストーリーの要約
任務中に消滅したはずのコルタナの幻影を見たマスターチーフ。彼が率いるブルーチームはUNSCを無許可で離隊し、コルタナを追うべく惑星メリディアンに眠るフォアランナーの巨大なドローン「ガーディアン」に搭乗。
ブルーチームを拘束すべく組織されたファイアチーム オシリスはメリディアンでブルーチームを取り逃がしてしまう。
一方ガーディアンを通してフォアランナーの惑星「ジェネシス」に到着したブルーチームはコルタナに接触。
コルタナが何らかの陰謀を進めていることを知ったUNSCはオシリスに惑星サンヘリオスのガーディアンの奪取を命じる。
ガーディアンになんとか飛び乗ったオシリスはジェネシスに到着。
道中で出会ったジェネシスのモニター「イグズーベラント ウィットネス」と協力しながらブルーチームがいる「ゲートウェイ」に向かう。
コルタナの目的が寿命を克服したAIによる宇宙の管理支配であることが明らかになる中、コルタナを説得しようと試みるマスターチーフ。しかしコルタナの意志は変わらずブルーチームは拘束されてしまう。
ブルーチームを解放するべく奮闘するオシリス。イグズーベラントの協力もあり間一髪でブルーチームをコルタナから救い出すことに成功する。
ブルーチームはオシリスと共に帰還した。だが時を同じくしてUNSC最大の戦艦「インフィニティ」はコルタナの攻撃を受け、インフィニティの艦長ラスキーはコルタナに対抗するべく作戦を立案する。
5年越しの再会
HALO5:Guardiansは2015年10月27日に発売されたゲームだ。
5年前のゲームとは思えないカットシーンのクオリティなのはこれを見ている方々にもきっと賛同してもらえると思う。下の動画ではないのだが、E3でトレーラーが公開されたときの胸の高鳴りは今でも鮮明に覚えている。
さて、肝心のゲームの内容についてだが、当時としてもやや賛否割れていた気がする(なにせ5年前の記憶なのでかなり曖昧なのは許してほしい)。
明確に批判が集まったのはジェムソン・ロック率いるファイアチーム オシリス、ひいてはマスターチーフの扱いについて。
HALOシリーズは1~4までマスターチーフが主人公でありプレイヤーキャラクターだった。アービターと共闘することこそあれど。
しかしながら、HALO5はどうだろうか。
ブルーチームを操作できるチャプターは全14個のミッションのうちたったの3つだけ。
HALO5は一見するとロックに焦点を絞ることでシナリオの空間的な拡張を図ったように見える。
異なる人物の視点から物事を解釈するというのは既存の多数のコンテンツにおいても重要な意味を持つというのはこれを読んでくださる方々もご存知のことだと思う。
しかしながらHALO5に関してはロックはそこまで魅力的に描かれているようには感じないのだ。残念ながら。
もちろんカットシーンはカッコいい。だがそれはあくまでオシリスがコヴナントやプロメシアン相手に戦う姿がカッコいいのであって、ロックの人間性的な観点での魅力には一切貢献できていない。
ロックも優秀なスパルタンであるというのはゲーム内外で描写されてきたものの、彼は外伝を除けばHALO5が初出のキャラクターで、プレイヤーからすればあまりにも情報が不足している。
魅力を感じないのはロックだけではない。マスターチーフらブルーチームもだ。
なにせ本作を象徴するような印象深いセリフやセリフを伴うシーンというものをほとんど思い出すことができないのだ。これでキャラクターの魅力を語るというほうが無茶というものだろう。
総じてHALO5はキャラクターの掘り下げについてはおざなりだったと言わざるを得ない。
ただし唯一例外なのはジェネシスのモニター(管理AI)「031 イグズーベラント ウィットネス」だ。
彼女はオシリスと邂逅してからというものの戦闘中に至るまでとにかくよく喋る。
機械ゆえに生命体に対してドライな対応を見せながらもどこか人間味に溢れる彼女の個性的な振る舞いは多くのプレイヤーの心を掴んでいた。
もちろんFPSというゲームジャンルでプレイ中にセリフを配置したりといったシナリオのデザインが難しいのはなんとなく理解はできる。
しかしだからこそ、カットシーンに関しては強い印象を与えるべく創意工夫を凝らすというのが今まで(具体的には1~3)やってきたことではなかったのだろうか?
加えて私自身はシナリオについてもやや懐疑的だ。
(固有名詞が多い割に本編中でもあまり説明されないというのはHALOシリーズ通しての悪癖なので今回は不問とする)
コルタナを追うマスターチーフとそれをさらに追うオシリスという構図自体は良いのだ。
発売前のイメージやキービジュアルではロックがチーフを追い詰めるかのような宣伝が為されていた。
しかしながら実際にロックとオシリスが戦うのは「未確定」のラストだけ、しかもロックはチーフのヘルメットに傷を与えることにこそ成功したものの、チーフを追い詰めるには程遠くなんなら返り討ちにあってしまう。
チーフの「格」を保ちたいというのは理解できるのだが、先述した通りこのゲームのほとんどはロックを操作することになる。
言うまでもないがロックにも「追う者」としての「格」を与えられてないというのはシナリオ全体を通して極めて致命的だった。
ゲームプレイについて
(今回はキャンペーン、つまりはソロプレイを前提としたモードについてのみ触れる)
HALO5のキャンペーンモードはオシリスもブルーチームも4人1組で行動するのがゲームを通しての特徴だ。
ロック(マスターチーフ)を操作し、ほかのメンバーに指示を出すことである程度AIによるプレイを制御し、戦闘を有利に進めることができる。
しかしながら、基本的にAIの頭があまりよろしくない。
もちろんFPSにおけるAIのプログラミングはおそらく極めて困難な作業なのだと思う。古今東西、今も名だたるFPSにおいても、優秀なAIとはあくまで限定的な状況下でのみ作用するものだろう。
にしてもせっかく4人で行動するのだからこのあたりはもっと工夫を凝らしてほしかったと思ってしまう。
AIの頭がよくないならAIと関係ないところで「協力している感」を演出してほしかった。もちろん ”複数のデバイスを同時に操作しないと開かない扉” に類するものなどはゲームのスピード感を大きく損ねるためこのあたりも難しいのだとは思う。
総評
グラフィックは間違いなく綺麗だが、シナリオ重視のFPSとしてはまだ完成には至っていない、というのが私の結論だ。
先ほどから述べている通りカットシーンのクオリティには眼を見張るものがある。
ゲーム中では説明しきれない、シリーズの裏側に位置する世界観も須らく重厚なものだ。
しかしながら、世界観やシナリオをシステムに落とし込む行為であったり、ゲームプレイそのものにまつわる体験であったりといった部分でやはり完成されたゲームとは言い難い、というのが現状での私の評価だ。
次回作「HALO Infinite」は21年秋に発売予定だが、HALO5からさらに改善されたゲームプレイ、シナリオに触れられることを切に願っている。
HALO5:Guardians ストーリーの要約(後半)
前回
あらすじ
復活を遂げたコルタナを追うブルーチームとそれを追うオシリス。
コルタナの目的はなんなのか、そしてコルタナや銀河にまつわる真実を知ったマスターチーフとロックの出す答えとは―――。
登場人物
ジェムソン・ロック
ファイアチーム・オシリスのリーダー。
UNSCを離れたブルーチームを連れ戻す任務を与えられる。
マスターチーフ
ブルーチームのリーダーにして我らがマスターチーフ。
コルタナの幻影を追ってジェネシスに辿り着き、コルタナと再会を果たすも以前の彼女はもういないことを知る。
コルタナ
人類史上最高のAIにしてかつてマスターチーフの「守護天使」だったもの。
”「創られしもの」による「マントル」の継承 ”を果たすべく暗躍する。
031 イグズーベラント・ウィットネス
ジェネシスのモニター、すなわち管理AI。
可愛い声と可愛い言動(?)でHALO5の良心として癒しを与えてくれる。
やはりというかモニターなので戦闘という命のやり取りに対してはかなりドライな一面も覗かせるものの、10万年の間ジェネシスの管理だけしていたことに退屈さを感じていたりとどこか人間味に溢れた性格が特徴。
かわいい。
同盟
アービター*1を救出したオシリスはスネイオンのガーディアンを奪取すべくアービターも交えて作戦会議を始める。
敵戦線
ガーディアンを目覚めさせるため、オシリスはフォアランナーのコンストラクターを追う
フォアランナー*2の自立型デバイス、「コンストラクター」を用いてガーディアンを起動し、コルタナに先んじて奪取すべく、オシリスはフォアランナーの施設へ向かう。
コヴナント*3の巨大な戦術機「クラーケン」が行く手を阻むが、アービター率いる「サンヘリオスの剣」の支援もあり、コンストラクターを持ち帰ることに成功する。
嵐の前
オシリスとサンヘリオスの剣は、コヴナントとの最終決戦に備える
コンストラクターを解析するハルゼイ博士。コルタナの魔の手が迫ってることを知ったオシリスはスネイオンに強行する。
スネイオンの戦い
サンヘリオスから飛び立つ前にガーディアンのもとに辿りつくべく、オシリスは奮闘する
ジェネシス
ガーディアンからジェネシスに降り立ったオシリスはジェネシスのモニター*5「イグズーベラント ウィットネス」に出会う。
オシリスはイグズーベラントからコルタナの目的が「創られしもの」による「義務のマントル」の継承、すなわち"ドメインの力で寿命を克服したAI達による宇宙の管理支配"であることを知らされる。
「義務のマントル」とは、イグズーベラントによれば「全銀河に対する平和の押し付け」「生命の歓喜を圧倒する死の恐怖」なのだという。
コルタナの野望の阻止という利害が一致したオシリスとイグズーベラントはコルタナやブルーチームの待つ「ゲートウェイ」へと向かい、ブルーチームとの再びの邂逅を果たす。
マスターチーフにコルタナは危険だと諭すロック。だが、マスターチーフもコルタナの危険性を理解していた。コルタナを止めるべく協力しようとしたのも束の間、コルタナによってブルーチームはどこか別の場所へワープさせられてしまう。
離別
ジェネシスの真の力が明らかになる中、マスターチーフと仲間たちは最大の危機に直面し、究極の選択を迫られる
「ドメイン*6」へと繋がる「ゲートウェイ」の隠し場所、それがジェネシスの存在する理由だった。
コルタナを説得するべくゲートウェイの内部を進むマスターチーフらブルーチームは、道中でウォーデンとの対話を通してコルタナの目的を知ることになる。
「マントル」とはすなわち銀河の覇権、宇宙の支配者の称号。かつてフォアランナーが継承したそれは10万年前の戦争により途絶えたものと思われていた。
しかしドメインに触れて復活したコルタナはドメイン内で眠りについていたウォーデンをも従え、イグズーペラント曰く1機でも恒星系の平和を維持するのに十分な力を発揮できるフォアランナーの超巨大ドローン「ガーディアン」を大量に配備、ありあまる力で銀河を支配しようとしている。
それこそがコルタナが望む「マントル」継承の真実だった。
ブルーチームのドメインへの侵入を阻止すべく立ちはだかるウォーデンを撃破しゲートウェイの深部へと辿り着いたブルーチーム。
コルタナのやろうとしていることは無理やりな支配であると断言しコルタナに自らの元へ戻るよう語りかけるチーフ。しかしコルタナの決意は変わらず、銀河中に永久の平和をもたらすべくガーディアンを銀河の各地へと向かわせ、ブルーチームを拘束し「クリプタム*7」に勾留する。チーフ達が次に目覚めたとき、コルタナによって平和が訪れた銀河を目にすることで自らが正しかったと証明するために。
ガーディアン
生か死か、ブルーチームを救うには、オシリスがガーディアンを止める以外にない
ブルーチームが危機に陥っていることをイグズーベラントから聞かされたオシリスはクリプタムに囚われたブルーチームの救出を決意する。
道中、オシリスとイグズーベラントはコルタナの語りかけに賛同する数多のAI達の声を耳にする。それが「創られしもの」の誕生の瞬間だった。
クリプタムを制御するための重力コアを破壊するオシリス。
コルタナの幾度とない妨害を退け、ついにオシリスはクリプタムを固定する通信リレーの前まで辿り着く。
ガーディアンの放つ衝撃波に曝されるも、瀕死の状態でなんとかリレーを破壊したロック。だがコルタナはクリプタムを回収しガーディアンと共にスリップスペースから飛び立とうとしていた。
しかしジャンプの刹那、イグズーベラントと彼女に従うコンストラクター達が一斉にコルタナを妨害、ジェネシスで好き勝手暴れまわったコルタナに対するイグズーベラントの”意趣返し”によりクリプタムとコルタナを引き離すことに成功する。
クリプタムから開放されたブルーチームはオシリスと共に帰還したのだった。
時を同じくしてUNSCインフィニティ*8はコルタナの攻撃を受ける。ガーディアンの放つEMPを目前に緊急ジャンプで逃亡を図るインフィニティ。逃げ切るのはおそらく難しいという艦載AIローランドの分析を尻目にインフィニティ艦長ラスキーはランダムジャンプで時間を稼ぎつつコルタナ達「創られしもの」に対抗するべく作戦を立案する。
*1:サンヘイリの指導者。人類と過去に協力関係にあったが今は内戦の収拾に追われている
*2:想像を絶するテクノロジーを持つ超古代文明。10万年前銀河を支配していたが既に滅亡、遺跡が各地で発見されている
*3:人類を敵視する異種族間の軍事宗教同盟、つまりは敵のエイリアン
*4:"コルタナを守護する者"を自称するプロメシアン。元はドメインを守護するために創られたフォアランナーのAIだったが、コルタナに再プログラムされ彼女に仕えることを強要されていた(Halopediaより)
*5:フォアランナーの施設の管理AI
*6:フォアランナーがかつて利用していた銀河規模のデータベース。宇宙の説明書
*7:中に入った生物を特殊な瞑想状態にする装置。前作「HALO4」ではダイダクトと呼ばれるフォアランナーが使用していた
*8:UNSC最大規模の宇宙戦艦。強力な装備を多数搭載したUNSCの切り札。ローランドというスマートAIを搭載している
奮迅 ~URAファイナルズ攻略に向けて~
ウマ娘を始めて2週間近くが経った。
未だにライスシャワーでURAファイナルズ優勝の夢は叶っていない。
だが、育成についていろいろわかってきたこともある。
今一度、私なりの育成論をまとめてみようと思う。
パラメータについて
パラメータについて改めて自分なりの見解を述べる。
スピードはおそらく最高速度を決めるパラメータだ。
重要度は逃げ>先行>差し>追込となる。
とはいえ、おおよそすべての作戦で最終的にはB程度はほしいパラメータだろう。
パワーは加速度を示すパラメータだ。
重要度は追込>差し>先行>>逃げとなる。
(余談ながら、たづなさんに「パワーを上げましょう」という趣旨のアドバイスを受けたときはかなり高密度の馬群の壁に阻まれていた可能性が高い。つまり、ちょっとやそっとのパワーでは突破できないと考えるのが自然だろう。これは個人的な意見だが「ポジションセンス」や「臨機応変」といった位置取り系のスキルでカバーするほうが事態の打破にかかるコストは低いと思われる)
根性については現状詳細不明だ。聞いた話によると、スタミナが切れたあとの挙動に参照されるパラメータだとか、最高速度を維持するためのパラメータだとか。デバフ耐性という説もあるとか。
最高速を維持するという仮説が正しいのなら重要度は逃げ>先行>差し>追込となる。
だが、根性に多少振ったほうが体感の勝率が良いのも事実。どのみち根性のトレーニングではスタミナなどのほかのパラメータも上昇するので、まったくの無駄にはならないだろう。
賢さは前回(https://reoco357.hatenablog.com/entry/2021/03/21/120628)の仮説同様、「上振れ下振れ(運の要素)を軽減する」パラメータだろう。
出遅れや掛かりといった要素は運に左右される部分が大きい。スキルの発動率も同様だ。だが、賢さをある程度上げておけば前述の"事故"をある程度軽減可能だ。
ほかにも位置取りやスタミナの管理などにも作用するらしく、レースの大局を決めるパラメータと言っても過言ではないだろう。
どの作戦でも最終的には400-500程度ほしいところ。
最後にスタミナだ。スタミナを最後に回した理由は単純明快で、5つあるパラメータのうち唯一スタミナのみがウマ娘の適正距離や作戦ではなくレースの適正距離に作用するパラメータだからだ。
具体例を挙げよう。
ライスシャワーやメジロマックイーンの育成において鬼門となる「天皇賞(春)」は3200mの長距離を走るレースだ。先行だからスタミナを重視するのではなく、達成しなければならない中間目標に天皇賞(春)があるからスタミナを上げるのだ。
ゆえに、重要度は作戦ではなくウマ娘によって異なる。タイキシャトルのように先行ながら短距離やマイルを主に走る娘もいれば、ライスシャワーのように菊花賞や天皇賞(春)といった長距離を走らなければならない娘もいる。
育成について
ウマ娘の育成において着目すべき点はふたつ。
サポートの恩恵をどれだけ受けられるかと中間目標で躓かないマネジメントだ。
まずサポートに関してだが、トレーニングを選ぶとき右上にサポートが表示されることがある(得意配置)。得意配置のトレーニングを行うと絆ゲージが上昇、さらに絆ゲージが一定のラインを超えると友情トレーニングが発生するようになる。
この友情トレーニングは特にステータスの伸びが大きく、同じくステータスの大幅な上昇が見込める合宿中に友情トレーニングを発生させられるかどうかは育成においてかなり重要なウェイトを占める。
つまるところ、得意配置がなるべく多いトレーニングを優先的に行う。
これに尽きる。できれば2人は配置されているとありがたく、なんなら配置を基準にトレーニングを選んでも良いとさえ思っている。行きあたりばったりのように思うかもしれないが、最終的なパラメータの伸びはおそらくこのほうが良い。
そして中間目標についてだが、当然ながら我々トレーナーとウマ娘の最終目標は現状URAファイナルズの制覇ということになる。
しかしながら、中間目標で躓いてしまっては意味がない。ライスシャワーにおける天皇賞(春)のように、鬼門となる中間目標に応じたパラメータやスキルをマネジメントしていく必要がある。
中間目標を意識した育成の具体例を次の項目のライスシャワー育成論を例に述べてみようと思う。
【例示】ライスシャワー育成について
前述の通り、ライスシャワーの育成における鬼門は天皇賞(春)である。
だが事故が起きる要因となるのはこれだけに留まらない。
まずメイクデビュー後の初戦となるスプリングステークス。
ライスシャワーは初期のマイル適正がCにも関わらず、Sステークスの距離は「マイル」。入着でいいとはいえ最低でもBまでは因子で底上げしないと事故る可能性がある(最初の因子継承がSステークス直後なのも意地が悪い)。
(余談だが、Sステークスまでのターン数にこそ余裕があるものの、その後は宝塚記念までかなりタイトなスケジュールが続く。これこそライスシャワーの育成が難しい要因にほかならないと私は考えている)
次に日本ダービー。中距離扱いだが2400mという長めの距離を走ることになる。
この時点で「スタミナキープ」が「深呼吸」のどちらかは獲得しておきたい。
さらに菊花賞。天皇賞(春)に次ぐ3000mという長距離なので、前述の「スタミナキープ」か「深呼吸」の取れなかった方をここで取れないと厳しくなる。
そして再三述べている天皇賞(春)。
3200mを正攻法で走り切ろうと思うと例えスタミナが500近くあっても厳しい。無論そんなスタミナ偏重の育成をしていてはほかのパラメータが足りなくなる。
そこをスキルで補うことになる(具体的にはスタミナ300程度ならスタミナ周りのスキルは3つ程度ほしい。私はスキル1個あたりスタミナ50くらいで換算しているのでスタミナ350+スキル2個とかでも可)。
覚醒Lv3で獲得可能な「決意の直滑降」と「上り坂」も強力なスキル。特に「上り坂」はほとんどの局面で有効なスキルだ。どちらも明確なアドバンテージとなるので可能ならば菊花賞までに「上り坂」を、天皇賞(春)までには「決意の直滑降」まで獲得しておきたい。
その次が宝塚記念。ライスシャワーの育成イベントのみ特例で阪神ではなく京都で行われるため、マックイーンのサポートで得られる京都レース場のスキルは育成全体を通してかなり有効だ(菊花賞、天皇賞、宝塚記念で恩恵を受けられる上、URA決勝も開催は京都レース場だ)。
1着固定の天皇賞(春)と違い宝塚記念は3着以内のためやや楽かと思いきや、サイレンススズカが行く手を阻むためかなりの激戦となる。
ここでのおすすめは「逃げ牽制」「逃げためらい」などの逃げを咎めるスキル。天皇賞(春)時点で強敵となりうるメジロマックイーン、スーパークリークはそれぞれ逃げ以外の作戦を取ってくるので、逃げ特攻のデバフを取るならおそらくここが最適だろう。
さらに余談だが、史実におけるライスシャワーの最後のレースであった宝塚記念で立ちはだかるのがサイレンススズカという彼女と同じく足を骨折した後に安楽死という最期を辿ったウマ娘であることには因果を感じてしまう。運命の交差点とはこのことだろうか。
さらに最後の育成目標、有馬記念。
ミホノブルボンやメジロマックイーンといった育成におけるライバルに加え、ほかにもビッグネームが目白押しの壮絶な戦いとなる。天皇賞(春)を超えてもここで撃沈するトレーナーは多いと思われる。
とはいえここまで来たら取れる対策はそう多くはない。先行という脚質にあったパラメータ管理、スキルの獲得という基本に沿って動き、彼女の勝利を願うほかないだろう。
目標を達成して一安心してもURAが待っている、特に準決勝以降のレースは運の要素も大きく絡むかなり困難なレースで、天皇賞(春)や有馬記念で時計を切らされてしまうと優勝は非常に厳しくなる。
だが、ここまで来るためにあらゆる対策を講じてきたトレーナー諸君であればいつか必ず彼女を咲かせることができるはず。
健闘を祈る。
HALO5:Guardians ストーリーの要約(前半)
登場人物
ジェムソン・ロック
マスターチーフと並ぶ今作の主人公のひとり。スパルタン*1の第四世代。元はONI*2のエージェントだが、倫理観に欠いた組織の元工作員にしてはどちらかというと人道的な発言が目立つ。スパルタンⅣ4名からなる精鋭部隊 ファイアチーム オシリスのリーダーに任命されマスターチーフの拘束を指示される。
マスターチーフ
「よう」
――――HALO2「グレイヴマインド」より
「HALO4」までシリーズの主人公を務めてきたスパルタン。人類を数々の危機から救い戦争を終結に導いた英雄。今作でもロックと共に主人公を務める。シエラ117やジョンとも呼ばれる。旧知のスパルタンⅡ4名で構成されたブルーチームを率いて宇宙の海に消えたはずのコルタナの幻影を追う。
コルタナ
「運よ。…違った?」
――――HALO3「アライバル」より
本作の物語の鍵を握る人類史上最高のAI。その正体はハルゼイ博士*3がフォアランナー*4の技術を用いて自らの人格データをクローン化しAIとして再構成したもの。マスターチーフを、さらには人類をも幾度となく窮地から救ったマスターチーフの「守護天使」。前作「HALO4」ではランパンシー*5により長くは持たないとされており、さらに同作の最終局面で消滅したと思われていたが…。
アービター
「たやすいことではない」
――――HALO3「ヘイロー」より
サンヘイリ(人類にはエリートとも呼ばれるエイリアン)の指導者。コヴナント*6の調停者*7だったが、教義の解釈の違いから一部のサンヘイリを率いて離反、人類との一時的な同盟を結ぶ。マスターチーフとは根深い因縁があるが、最終的に共に戦い人類を(一応の)勝利へと導いた戦友となった。現在は惑星サンヘリオスにて軍事組織「サンヘリオスの剣」を結成、内戦の収拾に追われている。
ストーリー
オシリス
UNSC*8にとって極めて重要な意味を持つ指名手配者、キャサリン エリザベス ハルゼイ博士を奪回せよとの命令が、ファイアチーム オシリスに下される
UNSCの重要人物ハルゼイ博士の奪還を目的としてロックを始めとするスパルタンⅣ4名からなる精鋭部隊ファイアチーム オシリスが組織された。オシリスはフォアランナーの遺産の制御に失敗し権威を失墜しつつあったコヴナント残党の指導者ジュール・ムダマの抹殺に成功し、ハルゼイ博士を奪還する。
ブルーチーム
旧知のスパルタンⅡブルーチームと共に、
マスターチーフは連絡を絶った ONI の研究ステーション、アージェント ムーンの調査に向かう
伝説の英雄、マスターチーフとその旧知の仲のスパルタンⅡ3名で構成されている部隊ブルーチーム。ONIのステーションであるアージェント ムーンを調査するマスターチーフは道中でコルタナの幻影に接触、惑星メリディアンにコルタナの痕跡があることを確信。ブルーチームは任務を放棄しUNSCに無許可でコルタナの捜索へ向かう。
ガラス
ブルーチームを追い、オシリスはUNSC の権力が及ばないガラス化された星へ向かう
無許可離隊したブルーチームを拘束せよとの命令がオシリスに下った。
ブルーチームの痕跡を追ってオシリスはコヴナントによってガラス化*9された星メリディアンへ向かう。
道中メリディアンを統治するスローン執政官なる人物に接触するも、彼の正体はAIでしかもランパンシーによる耐用年数の限界が迫っていた。
メリディアンステーション
オシリスは、メリディアンステーションには多くの機密が隠されていることを知る
メリディアンにてオシリスはプロメシアン*10と交戦する。さらにブルーチームの痕跡と思わしきものを発見、何やら隠し事をしているらしいスローンに不信感を募らせつつも引き続きブルーチームを捜索する。
未確定
メリディアンの地下深く、オシリスはブルーチームを追う
メリディアンの地下で、オシリスは”コルタナを守護する者"ウォーデン エターナルを名乗る存在と接触、コルタナの元へ行かせまいとするウォーデンと交戦するもこれを撃破。その先でとうとうブルーチームに追いつく。ロックはマスターチーフの拘束を試みるもブルーチームを取り逃がしてしまう。
さらにメリディアンに眠っていたガーディアン*11を起動され、メリディアンは危機に陥る。
脱出
ブルーチームと切り離され、なんとか追いつこうとオシリスは奮闘する
軌道エレベーターを通じてメリディアンからの脱出を図るオシリス。スローンは以前にコルタナと接触しており、ガーディアンの起動と共にメリディアンが危機に陥ることを予見していたようだ。さらにスローンの口からは「創られし者」なる意味深な言葉が…。
再会
ブルーチームがジェネシスに到着した時、ガーディアンの起動の真の理由が明らかになった
一方ブルーチームはジェネシスと呼ばれるフォアランナーの惑星に到着。さらにマスターチーフは復活を果たしたコルタナに接触する。コルタナはドメイン*12と接続したことでランパンシーを克服、再生したようだ。コルタナの目的は彼女曰く「創られし者」による「マントルの継承」らしい。その意味するところとは…。
サンヘリオスの剣
マスターチーフが窮地に陥ってることがあきらかになり、オシリスの任務は身柄拘束から脱出へ変更される
惑星サンヘリオスのスネイオンと呼ばれる場所にガーディアンが眠っていることが判明。スネイオンの調査にはアービターの協力が必要不可欠だが、サンヘリオスは今人類との同盟やフォアランナーの遺物を巡る内戦状態に陥っていた。さらにガーディアンを操っているのはコルタナであるという結論がハルゼイ博士から導き出される。コルタナによるスネイオンのガーディアンの奪取を阻止するべくオシリスはサンヘリオスの剣と協力してアービターの支援へ向かう。
*1:あらゆる面で通常の人類を凌ぐサイボーグ。強力なアーマーと高い身体能力を持つ
*2:Office of Naval Intelligence、海軍情報局。UNSCにて各種の諜報任務や工作活動を行う情報部門
*3:ONIの技術者。スパルタン計画の産みの親で、さらにコルタナの人格の元となった人物でもある
*4:人類の遥か先を行くテクノロジーを持つ超古代文明。10万年前銀河を統治していたが既に滅亡している
*5:コルタナを始めとした人類が製造しているスマートAIが抱えている一種の構造的欠陥。だいたいスマートAIにとっての寿命のこと
*6:シリーズを通して敵軍を務める異種族間の軍事的宗教連合。つまりはエイリアン。フォアランナーを崇拝し人類を目の敵にしている
*7:コヴナントそのものを揺るがす事態が発生した時に任命される役職。Arbiter
*8:United Nations Space Command、国連宇宙司令部の意で、地球軍とほぼ同義
*9:コヴナントによる戦術爆撃。文字通り地表がガラスで覆い尽くされる
*10:肉体をデータ化して機械の体に意識データを転写したフォアランナーの兵士
*11:本作の副題でもある超巨大フォアランナードローン。正式名称ガーディアンカストード。フォアランナーが宇宙の治安維持に用いた「ピースメーカー」構造体の一種
Make Debut! ~『ウマ娘』のゲームシステムについての所感~
それはトレーナーである私に与えられた最重要課題。
今回の記事ではURA突破のためにゲームシステムを私なりにざっくりと考察、まとめてみようと思う。
※この記事に載せる攻略情報は有志の情報を参考に、私がある程度情報を考察、まとめたものに過ぎない。データマイニングを行ったわけでもないので情報そのものの正確性や信憑性については保障できかねる。ご了承いただきたい。
サポートカードの重要性
このゲームはソシャゲだ。とにかくガチャを回したくなる気持ちはわかる。
だが、ひとつだけ言わせていただきたい。
育成ウマ娘を排出するガチャはできるだけ回さないほうがよい。
幸い今はリリース直後なので☆3メイクデビューチケットがもらえる。
推しはそこで確保していただきたい。
推しがいないからガチャで出た中から気に入った娘を選びたいという気持ちもわかる。
チケットだけじゃ全ての推しを網羅できないという気持ちもわかる。
なので1、2回程度は育成用のガチャを回すというのもありだと思う。
しかし、このゲームはとにかくサポートが重要だ。
育成キャラと相性の良いサポートを編成しなければ、ほとんどのキャラは概ね途中で詰む。
育成が本分の『ウマ娘』において、サポートは何よりも重要だ。
特に「ゲームがうまく進まないとモチベーションが下がるタイプ」の諸兄は絶対にサポート偏重で回したほうが良い。
推しを引けたのにも関わらず、推しに優勝を贈ってあげられない悔しさを感じたことはあるか?
中間目標ですら突破できない自らの歯痒さはまさしく胸が潰れるような思いだった。
閑話休題。
サポートがなければ育成もままならない。
このゲームには「因子」と呼ばれるシステムが存在し、苦手を克服するためにはどうしても「因子」が必要になる。
そして、その「因子」を得るためにも、サポートは必要なのだ。
サポートの重要性についてはある程度理解してもらえたと思う。
次は実際のウマ娘たちの「作戦」や「パラメータ」の話に移ろう。
作戦とパラメータについて
ウマ娘には「逃げ」「先行」「差し」「追い込み」の4つの作戦がある。
「逃げ」は最初に先頭に躍り出て、そのポジションをキープしたままゴールを狙う、いわゆる速攻タイプ。TCGで言うところの「バーン」が近いだろうか?
次に「先行」は逃げほどではないにせよ、ある程度前につけた状態からトップを狙う戦術。TCGで言うと「アグロ」だろうか。
そして「差し」は中盤以降に怒涛の追い上げを見せるタイプ。TCGで言うところの「ミッドレンジ」だろう。
最後に「追い込み」は最終盤での後方からのごぼう抜きを狙うというもの。TCGで言う「コントロール」にあたる。
ウマ娘において最も育成が簡単と言われているのは「逃げ」だ。
スピード偏重で、ある程度のスタミナと賢さがあれば少なくともパラメータに関しては大きな問題にはならないだろう。
「先行」は逃げに近い育成方針を取るが、1着を取るためには最後に「逃げ」を抜くためのパワー(加速力)が必要になる。
「差し」は先行以上にパワーに寄せた育成が必要となるだろう。スタミナや根性は控えめでもいいかもしれない。
「追い込み」は私はあまり育てたことはないのだが、おそらくパワーが最重要になる。賢さもあったほうがいいのかもしれない。
各パラメータの解説に移ろう。
スピードは逃げや先行において非常に重要なパラメータだ。
一部の逃げウマに関してはスピード以外のトレーニングを放棄しても目標完遂までは可能とのことなので、それほど逃げにおいては重要なのだろう。
スタミナは文字通り持久力を表すパラメータだ。
逃げや先行における重要度はそこまで高くない…かと思いきや、キャラによっては目標で長距離のレースを走らなければならないことが頻発するため、レースの特性に合わせる過程で伸ばす必要も出てくることもある、ある種厄介なパラメータ。
パワーは加速力に直結するパラメータだ。
逃げには基本的に不要だと言っ切っていいと思う。対照的に、先行、差し、追い込みには重要なパラメータとなる。
根性については詳しくわかっていないのだが、どうやらスタミナが切れたあとの挙動に参照されるらしい(要検証)。
この情報が正しいのだとしたら、スタミナと根性はどちらか片方を上げていれば持久力に関しては問題ないのではないか、と私は考察する。
育成中のトレーニングの挑戦回数に関してはかなりシビアで、どうしても手数が足りない。
そこで、スタミナと根性、どちらか一方をだけを伸ばすことでほかのパラメータにある程度余裕を持たせてみてはどうか、というのが現時点での私の育成方針だ。
最後に賢さだが、おそらくこれは "このゲームにおける運要素を緩和してくれる" パラメータだ。
詳しく説明しよう。
賢さは出遅れや掛かり、スキルの発動率に直結する。
そしてこの3つの要素はどれも例外なく "運が絡む" ものだ(時計を使うと事象が変化するのがその証左だろう)。
レース中にどうしても発生する上振れや下振れを少しでも軽減させてくれるのが賢さなのではないか、というのが今のところの私の見解だ。
※3/25追記
根性は最高速の維持に関わるパラメータである、という情報があるようだ。
長距離を走るのにスタミナは必要不可欠だが、根性はどちらかというと逃げが先頭を維持したり、先行や差しが先方に食らいついていくためのもの、といった感じだろうか。
今までは根性を軽視した育成をしていたので(そしてそれでライスシャワーの育成に失敗してきたので…)、これからは多少は根性に寄せた育成も考慮していこうと思う。
ローグライク、はたまた「Civilization」との類似性について
ここからは余談になってしまうのだが、私が思うに「ウマ娘」のゲームシステムは「Civilization」に代表される戦略ストラテジーにかなり近く、またローグライクゲームにも同様に近い。
特にランダムイベントでやる気の上昇を引くことを狙うことに代表されるプレイングは「FTL:Faster Than Light」や「Slay the Spire」といったマス目を移動する要素があるローグライクで、ランダムイベントのマスを踏みに行く行為と所作が完全に一致する。
1ターン1ターンが重要で些細なミスが命取りになる緊張感はまさに「Civilization」のそれ(あとスキルはほぼ世界遺産だと思っている)。
何が言いたいのかというと、ローグライクやCivが好きな人にはウマ娘はおすすめできる。
私はこのあたりのゲームがかなり好きなので、きっとこれからも沼にハマるのだろう。
総評
ウマ娘の適正や得意な作戦に合わせ、サポートを編成し、トレーニングを重ねる(時にはレース場に合わせたトレーニングも必要になる)。
それが「ウマ娘」の育成における定石ということになる。
そしてランダムイベントに対処しつつ、育成のために選択肢も覚えて、トレーニングで消耗する体力を意識したターン数の緻密な調整、レース出走のスケジュール管理や合宿での効率最大化、因子ガチャ、etc...。
膨大な要素を束ねた先、URAファイナルズの優勝への道は遠くとも、いつか必ず開ける。
☆☆☆
考察メインの記事だったが、ここでまとめた記事が少しでも攻略の助けになれば幸いだ。
それでは今回はこのあたりで。
*1:育成における最後のレース、すなわちラスボス
ウマ娘に触れた。
2021年2月24日。
それは我々人類とウマ娘の戦いの幕が上がった日。
祝え!大魔王の力を受け継ぎ、全ての時代をしろしめす最終王者
その名も『ウマ娘 プリティダービー』の誕生である!
※先に断っておくが、この記事はあくまでゲームに対する個人的な所感を示すもので、詳細なプレイレポや攻略といった類のものではない。どうかご理解いただけると幸いだ。
経緯
「アプリゲームのリリース前にアニメをやるコンテンツがあるらしい」
そう俄に話題になっていた本作。私も名前だけはふんわり耳に入れていた。
…まさかここまでの話題作になるとは想像もしていなかったが。
「コンテンツのクオリティアップのため延期」
ゲームの世界においては、それこそ掃いて捨てるほど聞いた言葉だ。
もちろんゲームに限った話でなく、多種多様なコンテンツがこういった文言と共に延期されてきたのだろう。
しかし、個人的な印象として、延期するコンテンツには須らく不安が付き纏うというものがある。
もちろんスケジュールをきっちり守れないことに対するそもそもの不信感というのもまったくないではないが、個人レベルの体験と集団制作の現場では些か事情が異なるだろう。
延期したコンテンツの(時には複数回の延期を繰り返したかもしれない)待ちに待ったリリース日になんとなく肩透かしを食らってしまった経験が諸君にもあるのではないだろうか。
ここで具体的なタイトルを上げるつもりはないが、そういった経験が私にはあった。
少なくとも私が感じた不安においてはウマ娘も同様だった。
いや、正直なところ私はたかがソシャゲの1タイトルと切って捨てるつもりでいたので、印象としてはもっと薄かった。
だが、現実は違った。
何かがおかしい。
『ウマ娘』はいくらなんでも話題になりすぎる。
俗に言う"ミーハー体質"の私。
それでいて新しいコンテンツに対する腰の上がらない私。
…しかし今回ばかりはどうも事情が異なるようだ。
インターネットの海を確かに回遊する『ウマ娘』に狂わされてきた人たち。
つぶやきやタイムラインがウマの話題一色に染まったとき。
個人のブログや、果てはゲームメディアまで『ウマ娘』を取り上げ始めたとき。
私は居ても立っても居られなくなった。
ついにゲームをインストールした私。
いざ蓋を開けてみると、そこで私を待っていたのはまさに新時代を切り拓くコンテンツ、現世に顕現したネクストレベルの象徴だった。
「ウマ娘」と二人三脚で歩む、スターへの道
やっとみんな会えたね
―――「GIRLS' LEGEND U」
3年の事前登録期間を経てCygamesからリリースされたゲーム『ウマ娘 プリティダービー』。
本作は所謂 "ソーシャルゲーム" (以下ソシャゲ)と呼ばれる類のゲームで、たくさんのキャラクターがガチャ*1から出た、出ないでワイワイガヤガヤ騒ぎながら、されど基本的にはひとりでコツコツと遊ぶタイプのゲームだ。
ソシャゲの歴史については私自身詳しいわけでもないのだが、最近の傾向としてはシナリオ部分に力を入れたソシャゲが増えてきている印象はあった。
私は『ウマ娘』はそのひとつの到達点であるように思う。
ゲームの流れを簡単に説明しよう。
プレイヤーは「ウマ娘」を育成し、レースに出してファンを獲得、人気が出たらさらに大きなレースへ…といったルーチンを行う。育成システムについては後述する。
さて、ここで個人的に重要であると感じているポイントは「ウマ娘とプレイヤーの二人三脚でシナリオが進む」というところだ。
ソシャゲというのは多くの場合において、いわゆるキャラゲー、つまりは多種多様なプレイヤーのニーズを少しでも多く捉えるために生み出された大量のキャラクターを、意地の悪い言い方をすれば "消費" していくタイプのゲームだ。
結果としてキャラクターひとりひとりの個性や愛着というものはどうしても薄まりがちになる。
しかし、『ウマ娘』は違う。
プレイヤーは1度の周回につきただひとりの「ウマ娘」を選び、「彼女がスターになる」までの道を共に歩むことになる。
時には困難にぶつかることもあるだろう。そんな中で、「ウマ娘」にも自然と愛着が湧いてくる。
つまるところ、シナリオベースでキャラクターへの愛着を形成することに成功している(のだと私は考えている)。
ゲーム自体がどうしても単調になりがちなソシャゲにおいて、キャラへの愛着をはじめとする "モチベーション" に直結する要素は極めて重要だ。
たまたまガチャで引いたのでもいい。見た目がちょっと好みだったとかでもいい。
何かしらの方法で「ウマ娘」を好きになることができれば、共にスターを目指すインセンティブが働き、トレーナー(このゲームにおけるプレイヤーのこと)と「ウマ娘」の間には唯一無二の "絆" が生まれる。
育成とレースへの出走を繰り返すこのループの中で育まれる重厚なゲーム体験に、私は次世代のソシャゲの可能性を垣間見たのだ。
史実ベースの魅力溢れる「ウマ娘」たち
私は競馬とはまったく縁がなく、近縁に競馬を嗜む人もいなかったし、ましてや競走馬の名前なんてなにかの記事で聞いたことがあるかどうか、くらいのものだった。
しかし、どうも競走馬というものは、私が思っている以上にドラマを生み出す存在だったらしい。
(『ウマ娘』の、ひいては競走馬の魅力について熱く語られてる電ファミニコゲーマーさんの記事。ぜひ一読していただきたい)
同じく史実、あるいは実在するモチーフをベースに生み出されたキャラゲーとしてやはり有名なのは『艦これ』だろう。
優れたキャラクターデザインと細かい史実のネタで一世を風靡した『艦これ』。
私は確信している。
『ウマ娘』がその身に宿すのは同じ "王の器" なのだと。
育成ゲームとしての根源的な面白さ
『ウマ娘』の育成要素は、有名どころでいうと『モンスターファーム』や『パワプロ』のフォーマットを踏襲したもののように見える(と私は推測しているが、私自身は先述の2つのゲームには実のところ直接触れたことがない。もし違っていても許してほしい)。
『ウマ娘』の育成モードでは、レース前に10ターン前後の自由に行動可能な時間が与えられ、トレーナーはトレーニングや休息、時には「ウマ娘」とおでかけすることができる。
トレーニングや時折挟まるイベントでステータスを上昇させ、レースで好成績を残す。
これは骨組みが既に完成されたフォーマットだ(もちろん細かい部分をソシャゲのシステムに基づいてアップデートしたり、洗練させたりといったことはあると思う)。
要するに、『ウマ娘』の育成システムには既に実績があるがゆえの安定感があるのだ。
RPGの体裁を取るソシャゲは数あれど、ここまでしっかりとした育成ゲームの形を取ったものはそう多くはないのではないだろうか。
当然のことだと思うかもしれないが、ゲーム部分が面白いというのはゲームにおいて最も重要なことだ。
そして、"優れたゲームデザイン" と、"プレイヤーと「ウマ娘」の二人三脚で織り成すドラマ" の両輪こそが、『ウマ娘』の本質であると言えるだろう。
終わりに
僭越ながら、『ウマ娘 プリティダービー』の所感について述べてきた。
身も蓋もない言い方だが、流行るコンテンツには流行るだけの理由がある。
拙い文章だったと思うが、この記事を読んで『ウマ娘』に少しでも興味を持っていただければ幸いだ。
そして夢に向かって走り続ける「ウマ娘」たちの旅路に溢れんばかりの祝福があらんことを。
れおこがたり 第1回 ~「One Step From Eden」の話~
ここ2回に渡って積みゲーを紹介してきた。
今回は少し趣向を変えて既プレイ、クリア済みの中から1本を選んで紹介する。
では今回の講義を始めよう。
(講義と銘打つくらいなのでやや専門的な内容も含んでいる。主観を控えめに書いているので読んでいて退屈さを感じるかも知れない。そういう方は***で区切ったあたりを読み飛ばしていただきたい)
One Step From Eden
「我は我のための理を作る」
「One Step From Eden」はデッキ構築型ローグライト*1アクション…なのだが、とりあえず以下の動画を少しでいいので見ていただきたい。
…ロックマンエグゼだこれ!!
ロックマンエグゼは3×3マスのグリッド(マス目)を移動しながら戦うアクションRPG。ランダムに読み込まれるバトルチップというものを駆使するカードゲーム的な要素もある。
改めて紹介しよう。「One Step From Eden」はデッキ構築型ローグライトアクションゲームだ。
プレイヤーは何人かいるプレイアブルキャラクターの中から使用するキャラを選び、4×4マスのグリッドを移動して攻撃を回避しつつ戦う。
敵を倒してスペルやアーティファクトと呼ばれるアイテムを集め自身を強化し、マップ最奥にいるボスを倒すことで次のエリアに進む。
最終的に、荒廃した世界の最後の希望 "Eden" を目指すというのがゲームの目的になる。
(以下、やや専門的な内容を含む)
***
デッキ構築型ローグライトというのはローグライトの世界ではままあるジャンルだ。カードゲームとローグライトは、それぞれ "強いランダム性" という共通項を持ち、少なくともシステムに落とし込みやすいという点で相性が良いと言えるからだ。
さて、このゲームには「フォーカス」という革新的なシステムが存在する。
本作には多くのスペル*2が存在するが、既存のローグライトでは「初手に引いたカードを軸にビルド*3を組もうとしたら必要なカードがぜんぜん集まらなくて頓挫」みたいなことが頻繁に起こっていた。これはローグライトというジャンルそのものの問題点でもある。
それを完全に解決とはいかなくとも寛解させるシステム、それが「フォーカス」なのだ。
名称と話の流れからおおまかな想像がついている方もいるかもしれないが、具体的に説明していこう。
本作のスペルには「フォーカス」つまりは所属陣営のようなものがひとつひとつ割り振られており、敵を倒したときに手に入るカードの陣営を指定することで、ある程度理想的なビルドに近づけやすくなっている。
***
長々とシステムの紹介をしてしまったが、無論、そういった快適性がこのゲームの肝の部分であることに疑いの余地はないだろう。
だが、それ以上に、このゲームは "楽しい" 。
グリッドに襲いかかる敵の攻撃を蝶の舞うが如く回避できたときの快感は筆舌に尽くし難いものだ。
ローグライトが持ちうるランダム性に基づいたリプレイアビリティ、それを補強する「フォーカス」システム、ゲームの土台を支える快適なアクション。
それが「One Step From Eden」の真髄と言えるだろう。
加えて良質なサウンドがゲームプレイを彩るのも最高だ。
open.spotify.com
☆☆☆
余談だがこのゲームにはヴィオレットというボスがいる。
バイオリンを武器にプレイヤーとのダンスを望む彼女との戦闘に存在する特徴的なギミック……それは、BGMに合わせて攻撃を仕掛けてくるというもの。
まるで舞踏会で踊るかのような戦闘の中で、BGMの盛り上がりは最高潮に達する。
その刹那、私は垣間見た。
本作を創った人が、このゲームを通してやりたかったことを体現する様を。
ゲームに対する溢れんばかりの熱意を。
ヴィオレットのテーマ曲「ネバーエンディングソング」。エモい
☆☆☆
昨年(2020年)の3月に発売されたこのゲームも、早いものでもうリリースから1年となる。
少し前のアップデートで新たなスペルが大量に追加されたり、イージーモードが追加されてアクションが苦手な方にも勧めやすくなったことで、さらなる飛躍を見せる「One Step From Eden」。
私の一押しなので、少しでも興味があればぜひ手にとっていただければ幸いだ。
★★★
今回は昨年出た中でいちばん好きだったゲームを紹介したが、いかがだっただろうか。
熱量に任せて書きなぐってしまった感があり、文章の構成が拙くなってしまった可能性は正直否めないが、好きに書くのはとても楽しかった。
それでは今回はこのあたりで。