たとえ空が堕つるとも

れおこのにっき

ウマ娘に触れた。

 

 

2021年2月24日。

 

 

それは我々人類とウマ娘の戦いの幕が上がった日。

 

 

『ウマ娘』リアルな設定に競馬ファンからも賞賛の声! Cygames担当者がポイントを解説

 

祝え!大魔王の力を受け継ぎ、全ての時代をしろしめす最終王者

その名も『ウマ娘 プリティダービー』の誕生である!

 

 

 

 

※先に断っておくが、この記事はあくまでゲームに対する個人的な所感を示すもので、詳細なプレイレポや攻略といった類のものではない。どうかご理解いただけると幸いだ。

 

 

経緯

 

「アプリゲームのリリース前にアニメをやるコンテンツがあるらしい」

そう俄に話題になっていた本作。私も名前だけはふんわり耳に入れていた。

…まさかここまでの話題作になるとは想像もしていなかったが。

 

「コンテンツのクオリティアップのため延期」

 

ゲームの世界においては、それこそ掃いて捨てるほど聞いた言葉だ。

もちろんゲームに限った話でなく、多種多様なコンテンツがこういった文言と共に延期されてきたのだろう。

 

しかし、個人的な印象として、延期するコンテンツには須らく不安が付き纏うというものがある。

 

もちろんスケジュールをきっちり守れないことに対するそもそもの不信感というのもまったくないではないが、個人レベルの体験と集団制作の現場では些か事情が異なるだろう。

 

延期したコンテンツの(時には複数回の延期を繰り返したかもしれない)待ちに待ったリリース日になんとなく肩透かしを食らってしまった経験が諸君にもあるのではないだろうか。

 

ここで具体的なタイトルを上げるつもりはないが、そういった経験が私にはあった。

少なくとも私が感じた不安においてはウマ娘も同様だった。

いや、正直なところ私はたかがソシャゲの1タイトルと切って捨てるつもりでいたので、印象としてはもっと薄かった。

 

だが、現実は違った。

 

何かがおかしい。

 『ウマ娘』はいくらなんでも話題になりすぎる。

 

俗に言う"ミーハー体質"の私。

それでいて新しいコンテンツに対する腰の上がらない私。

…しかし今回ばかりはどうも事情が異なるようだ。

 

インターネットの海を確かに回遊する『ウマ娘』に狂わされてきた人たち。

 つぶやきやタイムラインがウマの話題一色に染まったとき。

 個人のブログや、果てはゲームメディアまで『ウマ娘』を取り上げ始めたとき。

 

私は居ても立っても居られなくなった。

 

ついにゲームをインストールした私。

いざ蓋を開けてみると、そこで私を待っていたのはまさに新時代を切り拓くコンテンツ、現世に顕現したネクストレベルの象徴だった。

 

 

ウマ娘」と二人三脚で歩む、スターへの道

 

やっとみんな会えたね

       ―――「GIRLS' LEGEND U」

 

 3年の事前登録期間を経てCygamesからリリースされたゲーム『ウマ娘 プリティダービー』。

 

本作は所謂 "ソーシャルゲーム" (以下ソシャゲ)と呼ばれる類のゲームで、たくさんのキャラクターがガチャ*1から出た、出ないでワイワイガヤガヤ騒ぎながら、されど基本的にはひとりでコツコツと遊ぶタイプのゲームだ。

 

ソシャゲの歴史については私自身詳しいわけでもないのだが、最近の傾向としてはシナリオ部分に力を入れたソシャゲが増えてきている印象はあった。

 

私は『ウマ娘』はそのひとつの到達点であるように思う。

 

 ゲームの流れを簡単に説明しよう。

プレイヤーは「ウマ娘」を育成し、レースに出してファンを獲得、人気が出たらさらに大きなレースへ…といったルーチンを行う。育成システムについては後述する。

 

さて、ここで個人的に重要であると感じているポイントは「ウマ娘とプレイヤーの二人三脚でシナリオが進む」というところだ。

 

ソシャゲというのは多くの場合において、いわゆるキャラゲー、つまりは多種多様なプレイヤーのニーズを少しでも多く捉えるために生み出された大量のキャラクターを、意地の悪い言い方をすれば "消費" していくタイプのゲームだ。

結果としてキャラクターひとりひとりの個性や愛着というものはどうしても薄まりがちになる。

 

しかし、『ウマ娘』は違う。

 

プレイヤーは1度の周回につきただひとりの「ウマ娘」を選び、「彼女がスターになる」までの道を共に歩むことになる。

時には困難にぶつかることもあるだろう。そんな中で、「ウマ娘」にも自然と愛着が湧いてくる。

  

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私の "推し" 「ライスシャワー」。臆病で弱気な娘だが、ご覧の通りとても凛々しいお顔のギャップが魅力。トレーナーを「お兄さま/お姉さま」と慕う姿がすごく健気でかわいい。好き

 

つまるところ、シナリオベースでキャラクターへの愛着を形成することに成功している(のだと私は考えている)。

 

ゲーム自体がどうしても単調になりがちなソシャゲにおいて、キャラへの愛着をはじめとする "モチベーション" に直結する要素は極めて重要だ。

 

たまたまガチャで引いたのでもいい。見た目がちょっと好みだったとかでもいい。

何かしらの方法で「ウマ娘」を好きになることができれば、共にスターを目指すインセンティブが働き、トレーナー(このゲームにおけるプレイヤーのこと)と「ウマ娘」の間には唯一無二の "絆" が生まれる。

 

育成とレースへの出走を繰り返すこのループの中で育まれる重厚なゲーム体験に、私は次世代のソシャゲの可能性を垣間見たのだ。

 

 

史実ベースの魅力溢れる「ウマ娘」たち

 

ウマ娘」は実在する競走馬をモチーフにしたキャラクターだ。

 

私は競馬とはまったく縁がなく、近縁に競馬を嗜む人もいなかったし、ましてや競走馬の名前なんてなにかの記事で聞いたことがあるかどうか、くらいのものだった。

 

しかし、どうも競走馬というものは、私が思っている以上にドラマを生み出す存在だったらしい。

news.denfaminicogamer.jp

(『ウマ娘』の、ひいては競走馬の魅力について熱く語られてる電ファミニコゲーマーさんの記事。ぜひ一読していただきたい)

 

同じく史実、あるいは実在するモチーフをベースに生み出されたキャラゲーとしてやはり有名なのは『艦これ』だろう。

優れたキャラクターデザインと細かい史実のネタで一世を風靡した『艦これ』。

 

私は確信している。

ウマ娘』がその身に宿すのは同じ "王の器" なのだと。

 

 

育成ゲームとしての根源的な面白さ

 

 

ウマ娘』の育成要素は、有名どころでいうと『モンスターファーム』や『パワプロ』のフォーマットを踏襲したもののように見える(と私は推測しているが、私自身は先述の2つのゲームには実のところ直接触れたことがない。もし違っていても許してほしい)。

 

ウマ娘』の育成モードでは、レース前に10ターン前後の自由に行動可能な時間が与えられ、トレーナーはトレーニングや休息、時には「ウマ娘」とおでかけすることができる。

レーニングや時折挟まるイベントでステータスを上昇させ、レースで好成績を残す。

これは骨組みが既に完成されたフォーマットだ(もちろん細かい部分をソシャゲのシステムに基づいてアップデートしたり、洗練させたりといったことはあると思う)。

要するに、『ウマ娘』の育成システムには既に実績があるがゆえの安定感があるのだ。

 RPGの体裁を取るソシャゲは数あれど、ここまでしっかりとした育成ゲームの形を取ったものはそう多くはないのではないだろうか。

 

当然のことだと思うかもしれないが、ゲーム部分が面白いというのはゲームにおいて最も重要なことだ。

 

そして、"優れたゲームデザイン" と、"プレイヤーと「ウマ娘」の二人三脚で織り成すドラマ" の両輪こそが、ウマ娘』の本質であると言えるだろう。

 

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想いは受け継がれる

 

 

 

終わりに

 

 

僭越ながら、『ウマ娘 プリティダービー』の所感について述べてきた。

身も蓋もない言い方だが、流行るコンテンツには流行るだけの理由がある。

拙い文章だったと思うが、この記事を読んで『ウマ娘』に少しでも興味を持っていただければ幸いだ。

 

そして夢に向かって走り続ける「ウマ娘」たちの旅路に溢れんばかりの祝福があらんことを。

 

 

*1:キャラクターやアイテムなどを抽選によって購入する仕組み。ルートボックスとも呼ばれる

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